サッカー

Jリーグの「秋春制」是非を考える (2)天皇杯とナビスコカップ

2013/04/28

Jリーグの秋春制について、今回は天皇杯とナビスコカップの日程を考えてみたいと思います。

 

・最適な開催時期は?
・天皇杯やナビスコカップはどうする? ←今ココ
・スタジアム側の努力は?
・経済面はどちらが有利か?
・秋春制はJリーグのため?日本代表のため?

 

前回書いた「最適な開催月はいつか?」というのと一緒で、あまり表には出てこないのですが、大会のスケジュールを整理することも秋春か春秋かを議論する上で大事だと思います。

 

大会スケジュール議論の軸は二つ。試合日程と大会の権威

大会スケジュールを考える上で欠かせない軸だと思われるのは2点。いつ始まっていつ終わるか、何試合あるのか、一発勝負かホーム&アウェイか、という大会方式に紐付く日程の部分と、その大会に参加することや上位進出することで何が得られるか、という意義の部分の二つです。

 

Jリーグ・天皇杯・ナビスコカップは国内の3大タイトルとして挙げられています。この中でJリーグが最大のタイトルであることは間違いないですが、天皇杯とナビスコカップはどうでしょうか?

 

天皇杯で改善すべきなのはその日程。9月頃から本戦が始まり、チーム数が絞られて12月中旬頃からクライマックスを迎える。以前から指摘されているように、この12月というのはJリーグの閉幕後で、次のシーズンに向けてチームの整理が行われていることが多い。また、リーグ閉幕後であるが故、勝ち上がればそれだけオフが減ってしまう。天皇杯に参加せず帰国してしまう南米選手などもいる。

 

選手やチームごとでモチベーションに差が生まれてしまうのは、日本最古のタイトルとして正しい姿ではないと思いますし、しかも、選手の契約やオフ期間というのは、Jリーグが成熟すればするほど問題として大きくなります。

 

ナビスコカップも同様です。ACL出場チームはグループリーグをシードされ、試合もほとんどが代表戦の裏などで開催されている。建前では優勝を目指すと言いながらも、レギュラーを休ませるチームも多い。シード自体は悪いことだとは思いませんが、開催日程などを考慮すると、今がベストの開催方式だとは言えないでしょう。

 

解決策の一つは大会の統合

今回のテーマについては、今のナビスコカップや天皇杯の開催方式をどうにかするというよりは、大会の形自体を変えるのがよいと思っています。具体的には、天皇杯とナビスコカップの統合です。天皇杯の名前を残し、ナビスコが大会のスポンサーとしてつく、という形がいいのではと考えています。

 

ナビスコカップがJ1クラブのみ参加、天皇杯は予選から行ってプロ・アマチュアとオープンに参加するというところで、どこまで大会の裾野を広げるかという問題はありますが、今は別の大会として運営されていることで両方にひずみが出てしまっている。大会を統合することにより、プロ・アマチュアの参加範囲、試合数などは考えやすくなるはずです。

 

大会を統合することにより、優勝チームには現在の天皇杯と同様にACL出場権を与える。J1やJ2のクラブは大会序盤をシードされる。こうすれば、天皇杯とナビスコカップ両方に参加するより試合数も多くなることはなく、リーグ戦に集中しながらカップ戦に力を注げるチームも増えます。

 

決勝は春秋制維持ならナビスコカップの決勝が行われている11月3日、秋春制なら4月29日。リーグ終盤よりも前に大会が終わるタイミングで、祝日という意味でも決勝戦に適しているのではないでしょうか。あるいは、決勝だけリーグ戦終了後に行う形式でもいいでしょう。
春秋制維持にしても、秋春制移行にしても、大会スケジュールの整理というのは今後必ず必要になると思いますが、今の制度を変えるというのは簡単にはいかないでしょう。とはいえ、Jリーグや日本サッカーの発展を考えるなら、やらなければならないことであるのは明白です。

 

日本サッカー協会にもJリーグにも、春秋制や秋春制というお題目だけでなく、最適な開催方式というのを議論・検討し、見出してもらいたいと思います。

 

このシリーズ、次はスタジアム設備などについて書こうと思います。
それではまた今度。

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