スポーツ

アスリートのメディア所持を考える (1)インターネットがもたらすメディアの変化

2016/06/13

今回から何回かを使って、アスリートがメディアを持つことの意味というのを考えていきたいと思います。スポーツに直接関係のない部分もありますが、このブログの趣旨にも沿う内容ですので、少しずつまとめていければいいかなと思います。

 

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インターネットがもたらすメディアの変化

まず現在、インターネットやデジタルと言われる領域が世界的に、急速に発展してきています。Windows 95の出現からPCの普及率が高まり、インターネットに接続されるようになり、携帯電話も進化。スマートフォンやタブレットといったデバイスも現れ、世界中の人々は常にインターネットに触れられる環境にいられるようになってきました。

 

このインターネットによってもたらされた最も大きい変化というのは、よく言われることですが、メディアの在り方が変わってきたことではないかと思います。今どきは企業がWebサイトを持つのは当たり前。個人でもSNSやブログを使って様々な情報発信をする人が増えてきています。それはスポーツの世界でも然りで、アスリートが自分自身のメディアを持つケースも多くなってきています。

 

一般にIT革命と呼ばれる時代の中で、例えばWord・Excel・PowerPointといったオフィス系ソフトを扱えることというのは、特殊な技術ではなく当たり前のものになってきました。今はそれがインターネットメディアで起こっている。もはやメディアを持つことは当たり前で、個々人がコントロールをできるメディアにおいて、今大事なのはそのメディアで何を発信できるか、ということにシフトしてきているように感じます。

 

アスリートがメディアを持つ意味 — アスリートが“言葉を持つこと”

では、この時代の中で、アスリートがメディアを持つ意味とは何でしょうか?

これは以前、アスリートサポートの横原様とお話した際にもでてきたことなのですが、今はアスリート一人ひとりが“自分たちの言葉”を持つことが大事なのではないかと思います。

 

個人一人ひとりがメディアを持つことが可能になったこの時代。それはメディア運用のベースが企業から個人へと移り、個人にスキルが求められる時代になってきたということでもあるのですが、逆に言えば誰もがメディアを持ち、主体的に自分の姿や人となりを発信することができる時代ということでもあります。

 

「アスリートイメージ評価調査」2013年8月調査結果速報 「勢いを感じる」アスリートは桐生祥秀、田中将大、瀬戸大也、松山英樹、藤浪晋太郎。若手アスリートへの期待高まる! | 博報堂DYメディアパートナーズ

 

博報堂DYメディアパートナーズによる、上記のような調査があります。ここで採り上げられているのは、イチロー選手や本田圭佑選手のように以前から人気がありメディア露出も多い選手である他、瀬戸大地選手や桐生祥秀選手のように最近好成績や好記録を残した選手たち。彼らは自分でメディアを持っているケースもありますが、それよりもマスメディアなどに露出していることがこのイメージに関係しているのは想像に難くないでしょう。

 

このイメージというのはしかし、先述しているようにマスメディア等で大々的に報じられることがなければ構築されないイメージなのです。つまり、それぞれの競技の中で突き抜けた存在にならなければならない。あるいは世界選手権やオリンピックといった大会で好成績を残すなど、タイミングや運の要素も強くある。伝わり方によっては誤解が生まれるものの、アスリート自身ではそのイメージをコントロールしきれない面もある。これがアスリートのイメージ構築の現状です。

 

ただ、これはこの時代で変えることができる。個々人がメディアを持つことができ、そのメディアが信用を得てきている今、アスリート自身がメディアを持ち、運用していくことで、自分たちがコントロールしながらイメージを構築していくことも可能なのです。あるいは、そのメディアを使って話題作りをすることもファンを増やすこともできる。

 

メディア運用の軸が個人へと移る時代というのは、言ってみればこれはアスリートにとってチャンスでもあります。クラブチームや所属事務所等の条件的な制約はもちろん有り得ますが、今まで他者に委ねることでしかできなかったことが、自分たちの手でできるようになってきているのです。そしてそれは、アスリートそれぞれの活躍を支えるばかりか、引退後の活動などにも大きく役立つ可能性さえもあるものなのです。

 

さて、ここまで来るのに少し長くなってしまいました…。このままでは一つの記事で字数を重ねすぎてしまうので、また次回以降、アスリートのメディア所持について書きたいと思います。

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