スポーツ

スポーツコンテンツの価値を上げれば、海外旅行者に選ばれるようになる

オンラインでホテルや旅館を予約できるサービスの「Booking.com」が、面白いアンケート調査の結果を公表していました。観光と結び付ける部分で参考になりそうなので紹介します。

 

AMSTERDAM, NETHERLANDS – JULY 4, 2016 – If you buy into the adage that 90% of winning comes from how you prepare for the game, then where a soccer star sleeps the night before one of the biggest matches of his life is part of what give...

PR TIMESでこのリリースが抄訳されています

 

3分の1のBooking.comユーザーが、ハネムーンよりもスポーツイベント優先する

このアンケートによると、自分のハネムーンよりもスポーツイベントを優先するユーザーが3分の1以上いるということです。個人的にはそこはハネムーン優先の方がいいんじゃないかとか思ってしまいますが、スポーツビジネスや観光産業としては非常に意味のある数値ですね。

 

リリースではさらっと紹介されているだけなのでこれ以上の詳細が分かっていないのですが、それだけ人々にとってスポーツイベントやスポーツコンテンツというのは価値があるものだということですね。日本人が旅行して観に行くところで想像しやすいのが、サッカーのイングランド・プレミアリーグや欧州チャンピオンズリーグ、あるいはアメリカの4大スポーツといったところでしょうか。

 

こうしたスポーツコンテンツというのは、テレビでも視聴できますが現地で観るべきものとして認知されているということですね。上記の競技で共通するのは、絶えずエンターテインメントとしての価値を上げようと、すべき投資と努力をしてきたということ。コンテンツの価値を上げた先に、海外旅行者の動員を取り込めるような隆盛があるということです。

 

これに次ぐのがドイツ・ブンデスリーガやアメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)。かつてはJリーグと規模が変わらなかったドイツも、あるいはサッカー不毛の地と言われたアメリカでさえも、既にJリーグの何倍もの経済規模を誇る産業になっている。その競技だからこそ、その地だからこそ楽しめる、ということを追求してきたからこそ今の地位と人気がある訳ですよね。

 

翻って日本のスポーツはと言うと、観客が楽しめるようにする努力に大きく欠けてきた、というのが近年の実情だと思います。プレミアリーグに名前が変わり、Jリーグが始まった頃、リーグの経済規模ではほぼ差が無かった。にも関わらず今これだけの差を付けられているのは、どこに努力を払うべきかということを明確にしてくれています。

 

20160706

エンターテインメントとしての価値を上げるからこそ人が呼べる。※画像はイメージです。 (C) WAKA77

 

エンターテインメントとしての価値は? ということを考えるべき

私もJリーグの試合に足を運びますし、そこで試合に付随するイベントや出店なども見かけますが、あくまでも試合のおまけ要素の側面が強い。そのイベントがあるから試合がより面白くなる、というようなことが無いのです。もっと言えば、そうしたイベントや出店というのは試合会場でやる必然性が無い。そこら辺の公演でもできてしまうことで、それでは観客動員を増やすことにつながらない。

 

そうしたイベントや出店を全くするなと言いたいのではなく、人と金をかけるのにもっと別の選択肢があってもいいのではないか? ということです。例えば今のJリーグに、エンターテインメントとしての価値はどれだけあるのか? ということをもっと考えないといけない。その結論の一つは放映権料という形で現れます。

 

エンターテインメントとしての価値が上がれば、国内で人が呼べる。そこから放映権料が上がり、海外でも放映されるようになる。海外でコンテンツとして認められれば、旅行で観に行くものとして選ばれるようになる。Booking.comの調査結果からそんな循環も見えてくるところがあると思います。

 

ハネムーンよりもスポーツイベントを優先するという3分の1のユーザーが選ぶ対象に、日本のスポーツが入るかどうか。それを決めていくのは、日本のスポーツが日本であるが故の価値を出していけるか、ということにかかっているでしょう。

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