スポーツはライブ・エンターテインメント “音”がユーザー体験を高める
2016/06/14
先週、先々週の記事ではありますが、横浜DeNAベイスターズの開幕戦セレモニーの裏側について書かれた記事を紹介します。スタジアムでの体験を考える上で非常に参考になる記事でした。
音がスタジアムでの記憶や感情を呼び起こす
スタジアムでの“音”についても書かれた記事でしたが、これは考えさせられるところでした。このブログでもスタジアムでのユーザー体験について何度か書いてきましたが、音についてはあまり深く考えていなかったんですよね。音がユーザー体験を生み出す、あるいは体験の大きな部分を担うというのは目から鱗が落ちる思いでした。
「野球の試合だけ観に来てください」という時代はもう終わったと思いますし、球場全体を楽しんでもらいたい。
前編の記事から引用しましたが、ここは本当に共感するところです。記事にもありますがチームの勝敗に観客動員が委ねられるとビジネスが安定しない。そのためには「スタジアムが楽しい」と思わせてリピーターになってもらうことが必要なのですが、その体験を生み出すものの一つに音があるということですね。球場をエンターテインメントの場と捉えているからこそ気付くところなのではないかと思います。
私も何度もスタジアムでスポーツ観戦をしてきましたし、スタジアムやアリーナで行われる音楽ライブに足を運んだこともあります。そうした経験から考えると、音の衝撃が記憶に影響する部分は大きいなと気付きます。例えばサッカーのゴールが決まった時、野球のホームランがスタンドに入った時。こうした際は必ず観客の歓声や悲鳴がセットになっている訳です。音楽ライブでも言わずもがな、目の前の光景と音がセットで感情に訴えかけてくるんですよね。
後編記事では試合前のオーダー交換の演出にも触れていますが、全ての試合前にあるルーティンと言えるような時間に注目するというのも面白いですね。そこまで行くと試合開始の直前ということになりますが、ここを光と音で演出することによって、「さあいよいよ」と開始直前の観客の高揚感を引き出すこともできる訳です。
スタジアムはライブ・エンターテインメントの舞台になっている
アメリカのいくつかのスタジアムが音にこだわっているというのも発見でした。スポーツエンターテインメントの最先端を行くアメリカですから、音がスタジアムでの体験やコンテンツとしてのスポーツの価値を高めるということに既に気付いていたのでしょう。欧州サッカーの、サポーターの声が響く造りになっているスタジアムも同様ですね。
映像による演出は今までにも数多くあったと思いますが、音に着目することでさらなる体験を生むことができる。観客の声や音楽を演出することにより、その中にいる人々の感情を圧倒的に高めていけるということですね。
スタジアムはライブ・エンターテインメントの舞台であり、映像と音でユーザー体験を提供できる場になってきている、ということでしょう。筆者がスタジアムに行く際、音響といったところにも目を向けてみようと思います。
最後に、ベイスターズ本拠地開幕戦のセレモニーを収めたYouTube動画を貼っておきます。プロジェクションマッピングを使っての選手紹介には思わず震えました…。