スポーツ

プロスポーツでのYouTube活用を考える クラブ独自のコンテンツ配信を

2016/06/13

昨日、フットボールチャンネルでこのような記事があったので紹介します。日本代表やJリーグクラブに対し、選手の素顔を伝えるための発信をもっとしてはどうか、と提案する内容ですね。

 

日本代表、Jクラブの広報戦略に満足していますか? ベルギー代表に学ぶ正しい「Youtube」の使い方 | フットボールチャンネル

 

私もインターネット関連の仕事をしていることや、自分の趣味でYouTubeを見ることが多いのですが、こうしたメディアはスポーツの世界でより活用されるべき、とは以前から考えています。一般的に、まず動画はテキストや画像よりも情報量が多く、訴求力も高い。音声も入ることで立体感や臨場感というのが増す表現方法です。そして動画はスポーツの相性が断然良いというのは、言うまでもないことですね。

 

また、日本というのは非常に動画が好まれている国でもあります。YouTubeの再生回数を見ると、日本からの視聴は世界平均の約2倍で、世界でも図抜けてトップの規模だとのことです。数年前であればYouTubeは、違法ダウンロードの可能性などもあり言ってみれば非常に“いかがわしい”メディアでしたが、YouTubeチャンネルを活用する企業やアーティストなどが増えたことで市民権を得るところまで辿り着きました。今、このメディアを活用しない手はない、というわけです。

 

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東京ヴェルディは日本のプロスポーツクラブで最もSNSを活用しているクラブのひとつ。YouTubeチャンネルでは選手インタビューなどの他、ファンの声も紹介されている。

 

YouTubeの活用方法とは? クラブの中に眠るコンテンツを最大限活かすこと

では、活用すると一口に言っても、一体どのような活用方法があるのか? それにはいくつかの方法論があると思いますが、プロスポーツにおいての活用で大事なのは、“インターネットメディアだからこそ得られる情報”を伝えることが大事だと考えています。マスメディアでは得ることのできない情報と言い換えてもいいですね。

 

テレビのスポーツ番組やスポーツ新聞で知ることのできる情報というのは、テレビ局や新聞社が記者を派遣して、取材した結果得た情報です。これは広報とのやりとりなども含めれば、非常のクラブに近い関係性もつくられているのですが、クラブの内部に踏み込んだ情報というのは取材規制がかかることも多い。記者自身の目で見た、という部分で信用性は高いのですが、取材で踏み込める部分というのは限られてしまう。あるいは、メディアとしての公平性にも配慮しなければならない部分もありますし、映像の権利といった課題もある。

 

ただ、クラブが公式チャンネルとして利用すれば、クラブの権利を利用してマスメディアで発信できない情報を流すことが可能になるのです。例えば、ロッカールームなどクラブハウスでの表情も、クラブがやることで配信のハードルが下がります。あるいは、試合前後の会見やインタビューというのも、取材は入っていても映像として配信されるケースというのは今まで少なかった。そこを動画で配信することで、ファンは会見の雰囲気を知ることができる他、監督や選手が語っている生の声や表情を情報として仕入れることができるようになります。

 

クラブの内部だからこそ入ることができて、その中に外部へ配信すべき情報があるということは、Jリーグだけでなく様々なプロスポーツの現場で認識されるべきです。紹介した記事のように、選手を商材として基本路線に据え、クラブとしてその素顔を伝えていく。こうした姿勢でYouTubeを活用すれば、自然と選手やクラブのファンが増えていくでしょうし、インターネットで興味を持ったユーザーがスタジアムを訪れる、ということも考えられます。

 

インターネットの進化によって、情報発信の軸が企業から個人へとシフトしてきているということは以前書きましたが、それはクラブチームにとっても同じ。今までマスメディアに発信を委ねなければならなかったのが、今はクラブが主導して配信できる環境というのが整っている。しかも、クラブの中にはファンにとって特別なコンテンツがいくつも眠っているのです。

 

また、インターネットの良さというのは、コンテンツホルダーがユーザーと直接コミュニケーションをとることが可能、という点です。特別なコンテンツをもってユーザーとの関係を深め、ファンを増やしていく。こうした姿勢がクラブやアスリートにとって、今後非常に大切になってくると思います。

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