サッカー

2017年のJリーグは「当たり前」に近付くためのスタートになる

2017/01/17

「dot.」に今年以降のJリーグが格差社会になっていくという記事が出ていました。DAZNとの放映権契約によって、試合中継の配信だけでなく賞金も含めてJリーグの仕組みが変わって行くというところでは、正にその通りだろうという内容です。

 

 1993年に開幕し、今年で25シーズン目を迎えるJリーグ。新年も1月の半ばとなり、新シーズンに向けた各クラブの動きもおおよそ明らかになってきている。昨シーズンからの大きな変更はJ1が3年ぶりに1ステ...

 

個人的な意見としては、これからJリーグに起こるであろう現象についてはポジティブに捉えています。記事で述べられているようにリーグ全体の選手の質が上がっていくことが見込めますし、競技の質が上がればビジネスにも良い影響が考えられるからです。そして何よりも、Jリーグクラブにとっても選手にとっても選択肢が増えていくというのは大きいでしょう。

 

いわゆるビッグクラブが生まれるような仕組みになって、上位クラブに優秀な選手や監督が集中していく。そうすると上位クラブ同士の対戦というのが魅力を増していく。コンテンツとしての魅力が増してメディア的価値が上がることになれば、放映権料やスポンサー料にも間違いなく良い影響があります。

 

AFCチャンピオンズリーグに出場できることや、上位クラブ同士のレベルの高い試合が経験できるのであれば、ビッグクラブへの移籍が選手の選択肢に加わる。上位クラブでは選手の契約条件も上がっていくでしょうから、Jリーガーとしてはよりプロフェッショナルな選択をする機会というのが増えていくのではないかと思います。

 

JリーグではクラブがJ2に降格した時に、クラブに何らかの感情を抱いている日本代表選手が残留を決める、というようなこともよく起こっています。これは選手のキャリアを考える上での選択肢が少なかったことが影響していると思っていて、降格クラブから上位クラブに移るというような新たな可能性が芽生えるのも、ポジティブに捉えられるのではないでしょうか。

 

選手の選択肢が増えると、クラブとしても選択の余地が増えていきます。記事では選手を“外部から獲得する”という視点で書かれていますが、例えば日本代表選手に欧州からオファーがあった時に、金銭面などでクラブが戦うこともできるようになっていく。Jリーグから海外へ移籍する際の移籍金は低く見積もられているように思いますが、安い移籍金や育成補償金で買い叩かれるようなことから、経済的にクラブが身を守ることもできるようになっていく訳です。

 

世界で最も経済的に成功しているのはイングランド・プレミアリーグ。Jリーグも同じ状況に近付いていくのか。 ※写真はイメージです。

 

こういう風に考えていくと、Jリーグとしては変化していく仕組みをポジティブに考えていけるのではないでしょうか。「格差」というとネガティブなイメージがある言葉ですが、優秀な選手やクラブの報酬が上がっていくのは当たり前のことです。その当たり前が、この25年間のJリーグで出来ていたとは言えない。今年は変化というよりも、当たり前に近付くスタートに立つシーズンなのかもしれませんね。

 

あとはJリーグや日本サッカー協会が、国内大会のバランスをどう取っていくか。記事でも懸念されていたように、色々な歪みが出てくるでしょう。「ベストメンバー規定」を破ることを肯定する状況もJリーグ自身が生み出している訳ですから、そこへの対応も求められる。大会スケジュールの問題もあります。

 

これから様々な変化が起こるであろうJリーグ。まずは今年何が起こるかを見たいですね。

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