サッカー

世界につながることでJリーグは拡大する

プレジデントオンラインに載っている、スペインリーグ会長のインタビューが興味深いものでした。環境が変わりつつあるJリーグの、ヒントになる言葉が多く詰まっていたなあ、と。

 

DAZNがJリーグに支払った巨額の放映権料が話題になっている。放映権料を収入の柱としてリーグを黒字化したテバス氏に、経営の極意を聞く。

 

事情や規模は違えど、リーグが経済的に困窮したところを放映権ビジネスなどで持ち直し、リーグ全体として拡大傾向にあるというのはリーガ・エスパニョーラとJリーグとで共通するところだと思います。参考になると思うのは、リーガの立ち直り方というよりも、その拡大の仕方でしょうか。Jリーグは立ち直りというよりは、リーグがクラブマネジメントの制度を整えて外へ出ていこうという動きをしているところですね。

 

放映権に限らないことですが、リーガは世界に、Jリーグはアジアに向けて発信をしているという動き方も共通しています。前回に「Jリーグは世界へとつながるリーグになった」とも書きましたが、リーグの試合にアクセスできる人を増やしたことで拡大傾向になってきている訳です。

 

言ってみれば、外に向けての動きをすることで拡大傾向になってきている訳ですよね。DAZNとの放映権契約についても、視聴環境の中心がスマートフォンになっていくことによって、今まで見てはいなかった層へのアプローチを可能にしている。DAZNはコンテンツ力も高いですし、有料衛星放送とは異なる月額料金を払っての見放題がスタイルな訳です。海外サッカーを観た上での“ついで”視聴のような形も見込んでいける。

 

この動きというのはクラブでも同じことで、やはり昨年のクラブワールドカップでの鹿島アントラーズの躍進もクラブを外へ向かわせる契機になっているように思います。今季は様々なクラブが補強に積極的なのは、DAZNの放映権によって分配金や賞金が上がったことも要因としてあると思いますが、自分たちにも同じ躍進ができる、と感じるクラブも多かったのではないでしょうか。

 

アジア・チャンピオンズリーグに出場したい、出場しているクラブは勝ちたいという、そんなモチベーションで今季に臨むからこそ、積極的な動きをしているのだと思われます。近年のJリーグではあまり見なかったレベルの選手も入ってきていますし、こうした動きは確実にリーグの競技レベルを引き上げます。おかげで「今年のJリーグは面白そう」という話をよく耳にします。

 

拡大傾向に差し掛かろうとしているJリーグ。外へ向けて動く一方、足元を固めることも必要。 ※画像はイメージです。 (C) Umako

 

ただ、テバス会長のインタビューで最も心に留めないといけないのは、「スタジアムでサッカーの試合を開催するだけでなく、それ以外でも経済効果を見出していく必要があります。また持続的な形を進めていかなければなりません。」という言葉でしょう。

 

ここまでの拡大傾向というのは、放映権契約であったり一クラブの躍進であったりと、リーグ全体が内部から変わって生まれている現象ではありません。外へ向けて出て行く動きと同時に、やはり内部を変えていく動きも必要だということです。それに気付いてスマートスタジアム事業も始まっているのだと思いますが、さらなる拡大をしていくならやはり足元をみつめていくことが大事になりますね。

 

足元の基盤を強化しつつ、世界とつながることでリーグが拡大していく。放映権締結時にも書きましたが、大事なのは正しい投資先を見つけること。その投資の上でJリーグがより面白くなっていけばいいですね。

 

昨日7/20(水)、Jリーグから来年以降の放映権契約について発表がありましたね。先月もその放映権のことで書きましたが、以前から報じられていたよりも金額も年数も多い契約には少し驚かされました。  放映権分配金の用途は? 選手獲得にあてるべきではない...

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