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Jリーグ放映権の分配金は選手獲得に使うべきじゃない

昨日7/20(水)、Jリーグから来年以降の放映権契約について発表がありましたね。先月もその放映権のことで書きましたが、以前から報じられていたよりも金額も年数も多い契約には少し驚かされました。

 

 

放映権分配金の用途は? 選手獲得にあてるべきではない

しかも、NTTグループとも協業でスマートスタジアム事業も始まるということ。このブログで書いてきたところのコネクテッドスタジアムが、日本でも実現する素地がつくられていくのではないかと思います。DAZNとNTTグループとの契約によって、スタジアムでもディスプレイの前でも観戦環境が変わっていくのは間違いないですね。

 

例えばイングランド・プレミアリーグと比較すれば、年間210億円というのは決して大きな額ではないですが、各クラブへの分配金やリーグの賞金額は確実に上がる。そうなると次に気になるのはその用途ですね。

 

私はクラブのマーケティングに使うべきだと考えています。選手獲得よりも、自治体と一緒になってスタジアムを整備するとか、試合に観客を呼んで定着させるための活動に使うべきでしょう。現状で経営に行き詰まりを見せているクラブなどは特に、経営体力をつけることを優先させた方がいい。

 

レンタル移籍なら欧州トップレベルで活躍する選手も呼べるというような、各クラブが選手獲得に資金を使うべきという論調もあります。中国の“爆買い”に対抗して、ACLでも勝てるような戦力を整えるべきという話もあります。ですが、それを浦和レッズがやるならいいでしょうが、多くのクラブにとっては選手獲得に分配で得た資金をあてるのは結果的にクラブ経営を圧迫しかねない。

 

欧州から人気選手を呼び寄せられたとして、その選手を長期に維持するのであれば移籍金や年俸で巨額の投資が必要です。それは来年以降に上がる分配金で賄えるものではないでしょう。中国市場からその選手が狙われれば、移籍を阻止するためにさらに年俸を釣り上げなければならないリスクもある。

 

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2017年以降の放映権契約を伝えるJリーグのニュースリリース。10年間、約2100億円の契約となった。

 

選手人気に頼ったビジネスではファンは定着しない。正しい投資先を考えるべき

また、その選手によって一時的に観客動員が上がったとしても、それは砂上の楼閣に過ぎないのです。1990年代のヴェルディ川崎(当時)を思い浮かべて欲しいのですが、読売新聞社がスポンサーから撤退して人気選手を維持できなくなり、選手についていたファンが離れていった。そうしたファンを繋ぎ止めておけなかったのは、川崎市において地域密着のマーケティングをしなかった失敗が根底にある。

 

近年のセレッソ大阪を見ても顕著です。元ウルグアイ代表のディエゴ・フォルラン選手が2014年から1年半在籍していて、2014年はセレッソ大阪の観客動員は増えたもの、シーズン途中で退団した2015年は10万人もホームゲーム入場者数を落としているのです。2015年はJ2にカテゴリーが落ちたことも関係しているでしょうが、少なくとも増えたファンは定着していない。いつの間にか「セレ女」という言葉も聞かなくなりました。

 

クラブの勝敗に頼ることもそうですが、選手獲得に走っていくのも今のJリーグにとっては得策ではない。選手獲得や維持をするための、欧州やMLS、中国との競争に巻き込まれて、現状で金の出どころのないJリーグはジリ貧になっていくだけです。

 

まず各クラブがホームゲームを満員にしていくことができないと、クラブもJリーグも価値が上がってこない。そのために分配で得た資金を使わないといけない。満員の試合が増えれば、そこに価値を見出すスポンサーが現れるでしょうし、将来的にさらに放映権も上がる。そう考えて、より長期的な視点を持つことが各クラブに求められるでしょう。そしてJリーグも、分配金をどう使っていくべきかの指針くらいは示すべきです。

 

放映権の増額に浮かれず、正しい投資先というのをリーグ・各クラブが考えないといけませんね。

 

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