日本サポーターのゴミ拾いはワールドカップにおける文化発信
2016/06/14
ワールドカップにおいて日本代表は厳しい戦いを強いられていますが、日本からブラジルへ遠征しているサポーターが称賛されていますね。
W杯デイリーコラム:日本が世界に教えていること | Goal.com
ブラジル人までも参加した、日本サポーターのゴミ拾い
日本の初戦となったコートジボワール戦後、代表チームが負けたにもかかわらずゴミ拾いをしていたサポーターの姿が、TwitterやFacebookで拡散されていました。代表チームが負けるとヤケを起こして、ゴミ拾いはおろか逆に汚して帰るなど不快な行動をとるサポーターも多いのに、と各国のファンとも対比されて報道されていました。
続くギリシャ戦でも、日本代表は望まれるような結果は出せませんでしたが、「結果は関係ない」として再びゴミ拾いをするサポーターの姿が見られました。しかもこれを見習ってゴミ拾いに参加したブラジル人もいたというから驚きです。
日本サポーター「試合結果とは別」 初戦に続きごみ拾い | 朝日新聞デジタル
W杯観戦でごみ拾い、広がる輪=「日本見習う」とブラジル人も | 時事ドットコム
ゴミ拾いに使っている青いゴミ袋は、元々は膨らまして応援に使われていたもの。テレビを通して観ても会場の雰囲気は本当に素晴らしいですが、その雰囲気づくりに参加し、しかもそれを汚さずに帰っていく。海外から見ると身内びいきだと思われるかもしれないですが、これは日本人が誇っていいことだと思います。
今回が初めてではないゴミ拾い 日本サポーターが発信すべき文化
また、このゴミ拾い、今大会が初めてではないんですよね。Goal.comの記事にもありますが、1998年のフランス大会に日本が初出場した際にも日本のサポーターがゴミ拾いをして帰っていく光景が報じられていたのです。今回はSNSの力によって、より世界的にこの行動が拡散していっている訳ですが、初出場から16年経っても、この道徳心が失われていないというのがまた誇らしい。
サッカーでファンの話題というと、俗にフーリガンと呼ばれるような暴力的な人達の話や、暗い話題が挙がることも多いですね。イングランド・プレミアリーグがリーグの取り組みとしてフーリガンをスタジアムから追い出した、という話もありますが、それはどちらかと言えば稀なケース。日本はそこへポジティブな話題を持ち込んだと言えるでしょう。
これにつながるところでは、日本のJリーグは、親子連れがスタジアムに訪れやすいリーグなんですよね。海外では応援しているチームの結果に一喜一憂して、スタジアムが危険な場所に変わってしまうこともある中で、日本の観戦環境は極めて安全と評価されている。これもファンやサポーターの持つ“文化”なのではないでしょうか。
日本のサポーターは、その意味では意図せずして文化発信の役割を果たしています。「世界で最もマナーのあるサポーターと、世界で最も安全な観戦環境」。日本はこうした文化をもっと誇っていいと思いますし、もっと世界へ発信すべきだと思います。