日本スポーツ界にも広がる「ALSアイス・バケツ・チャレンジ」
2016/06/14
このところ連日、「アイス・バケツ・チャレンジ」に関する報道がニュースを賑わせていますね。賛否両論はありますが、日本スポーツ界にもその輪が広がってきています。
「アイス・バケツ・チャレンジ」に見るフットボーラーの交友関係 | サッカーキング
【アイス・バケツ・チャレンジ】氷水かぶりが大流行となった理由 | THE HUFFINGTON POST
日本サッカー界で言うと香川真司選手、三浦知良選手、ラモス瑠偉監督、楢崎正剛選手、宮本恒靖氏と錚々たる面々がチャレンジして話題になっています。クリスチアーノ・ロナウド選手、リオネル・メッシ選手、ネイマール選手という世界的なスター選手も続々と参加しましたね。
賛否両論あるチャレンジ その本質と意義とは何か?
アメリカから広がったこのチャレンジですが、Wikipediaの受け売りですがどうやらアメリカで氷水は「祝福」を意味するようです。優勝や表彰などで水をかけ合うシーンがスポーツ界だとよく見られますが、それと同じような意味合いなのかもしれません。分かりやすい催しでFacebookを中心としたソーシャルメディア上での拡散を狙い、ALS支援の認知と啓発、そして寄付を増やそうというのは、個人的には面白いなあと思いながら見ています。
とはいえ、冒頭に書いた通り賛否両論はあるようですね。「(チャレンジに参加した有名人が)セレブ気取り」だとか、「本当の狙いよりも遊びや流行として拡散している」という批判があり、事実そうなってしまっている面もあると思います。中には「氷水がスポーツ選手の身体に悪いから即中止しろ」というような声もある。
おそらくこのチャレンジの最大の意義というのは、世界的な有名人や芸能人、あるいはスター選手達がチャレンジの意味を理解し、リレーをつないでいくことではないかと思います。ハフィントン・ポストの記事にあるように、彼らは単純に氷水をかぶるだけでなく寄付も同時にしているようで、ALS協会が受け取った寄付も増えている。
確かに身体に差し障る部分もあり批判も最もなんですが、個人的な考えを記すと、チャレンジの本質や意義という部分を評価しようとしないで批判するのは違うと思っています。チャレンジの輪が広がることで難病支援が認知され、寄付が増え、さらに輪が広がっていく。おかげでALSに関心を持った人も多いはずで、この部分はもっと考慮されていいはずです。
実際に、氷水をかぶらないで寄付するという行為や、別の選択肢をとった有名人や選手もいる。彼らは彼らとしてチャレンジの意義を感じて、自分たちがとるべき行動をとったのだと思います。ならば、その選択が彼らに委ねられるとしても、その選択肢を制限するようなことはあってはいけないですよね。私はそう思います。
スポーツとインターネットの両方に関わる者として、チャレンジの意義や本質を見ないまま批判するようなことはしたくないと考えています。ソーシャルメディアのバイラルなのでおそらくもうすぐ収束するとは思うのですが、終わった後に今回のやり方はどうだったのかなどの評価をしてもいいんじゃないかなあ、と思います。
※日本ALS協会のホームページでも、氷水をかぶることや寄付することは強制ではないと記されています。