FC今治が挑戦する「型」 地域のスタイルがJリーグを変える
2016/06/14
2月23日にあったFC今治の新体制発表記者会見。オーナーに就任した岡田武史氏のプレゼンテーションが反響を呼んでいますね。
日本サッカーはスタイルに苦しんでいる
会見の内容については上記のリンク記事で詳しいので触れませんが、やはり注目は「日本人に合ったメソッドを作る」というところだと思います。“岡田メソッド”という呼び方が独り歩きするような気がしてなりませんが、要は日本サッカーやFC今治のDNAに刻まれるようなスタイルを作ろうということだと思います。
岡田氏が語ることにも現れているように、今日本サッカーはスタイルに苦しんでいるところではないかと思います。日本人が目指すべきサッカーは何なのか。それを実現するために必要なものは何か。この20年ほどで急速に成長してきた日本サッカーですが、これから世界トップクラスを目指そうという段階で、成熟した強豪と比較して足りないものが一気に見えてきているのではないかと思っています。
Jリーグは本当の地域密着や百年構想を考えるタイミングに来ている
この話をJリーグやクラブチームで考えるなら、やはりそれぞれのスタイルというのも構築されていないところが多い。このブログでもクラブやスタジアムを中心にした地域ビジネスについて触れていますが、ビジネスってクラブの地域性にも寄り掛かるところがあるんですよね。
例えばブラジルのように、北部と南部で生まれる選手のタイプが異なる、というようなことがあっていい。東京都と大阪府のチームは同じサッカーをしなくてもいい。むしろ対立するようなスタイルになればその方が面白いですよね。そうした、地域性を象徴するようなスタイルがまだ足りていない。それがビジネスにもつながっていくと思います。
FC今治以外にも、鹿児島ユナイテッドFCや奈良クラブのように、県民の思いを背負ってJリーグを目指すクラブが出てきている。日本サッカーやJリーグが成熟期に差し掛かろうとしているこの時期にして、本当の地域密着だとか百年構想を考えるタイミングが来ているように思えて仕方ありません。
地域ごとのスタイルや型を突き詰めた先にクラブとともに生きる地域の発展があり、その先に日本サッカーやJリーグのスタイルができる。それは5年後か10年後か分かりませんが、FC今治、鹿児島ユナイテッド、奈良クラブのようなチームがJリーグで存在感を増してきた時に、Jリーグは一つも二つも上のステージへ上がれるのではないでしょうか。
先週書いた記事のように日本サッカーのトップにはウンザリするばかりですが、足元では確実にサッカー文化を構築する土壌が育ってきている。非常に喜ばしいことです。こうしたクラブの動向に注目していきたいと思います。