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新国立競技場のデザインが決定 普通ではない五輪の象徴に?

2016/06/14

昨日12/22(火)に、新国立競技場の採用デザイン案が決定しました。当初の候補2案からA案が選定されました。工期やコストの管理など課題は様々これから出てくるでしょうが、2019年11月30日に完成予定ということで、東京オリンピックでスタジアムができていないなんて事態にはならなさそうでひとまず安心です。

 

2020年東京オリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場は、「木と緑のスタジアム」をコンセプトとしたA案が採用されることに決まった。

 

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日本スポーツ振興センターもホームページで採用されたデザインと、選定結果を公表

 

この決定に関して新聞社の社説もリンクを掲載します。「これが出発点」「次世代の聖地に」と、まさにその通りだなあと読んでいて思います。

 

 整備計画が白紙撤回された新国立競技場が明治神宮外苑という緑豊かな周辺環境に配慮した「木と緑のスタジアム」として整備されることになった。迷走した競技場建設は2020年東京五輪・パラリンピックに向け、ようやく出発点に立った。

 

選定のプロセスはフェアだが…

今回の選定に関しては、先に技術提案2案を公開し、選定基準やその結果も公表していることから、ザハ・ハディド氏の案に決まっていた旧計画時よりもフェアなものになったと思います。まあこれがそもそもは普通のことで、不正や怪しい動きがあればこの時代は簡単にすっぱ抜かれるというのに、何故最初からこれがやれなかったのかということは疑問として残ります。

 

また、「デザインで言えばB案」などと結果が出る前にのたまい、結果に少なからず影響を与えた森喜朗組織委員会長はその不用意な発言の責任をとるべきでしょう。あるいは、選定されなかったB案側やザハ氏事務所が、A案がザハ氏の案に似ていることを指摘したりと、尻馬に乗って揚げ足をとるのも醜いの一言。この国立競技場をめぐる一連の動きはここに来ても世界に恥を発信しているようなものです。

 

国立競技場でも、エンブレムの問題でも、利権に絡んだ争いは醜いばかり。そして今はそんなことを争っている場合ではないんですよね。泣いても笑っても2020年8月にはオリンピックを開催しなければならない。東京だけでない日本全体が動く国家事業で、国や代理店がオリンピックやスポーツを玩具にしている場合ではないんです。

 

2年半を浪費してようやくスタートラインに。もはや普通の状態ではない

2020年オリンピックの東京開催が決定したのが2013年9月で、今が2015年12月。大会の7年前に決まったというのに、この2年半近くを浪費して今ようやくスタートラインに立ったということを認識しなければならない。この浪費のおかげで、2019年ラグビー・ワールドカップで国立競技場が使用できないという、ある意味の“犠牲”まで生まれている。組織委員会の豊田副会長が辞任するという異例の事態まで起こっている。

 

国立競技場に象徴されているように思いますが、もはや東京オリンピックは普通の状態、普通の国で行われる大会ではないということです。ここまで書いてきたように統括する組織や計画を決めるプロセスが普通ではありません。リンクを貼った社説でいずれも指摘されていますが、建設の工費が過去の大会と比較しても高額ですし、スタジアム建設だけでなく運営費用も膨れ上がるばかり。一体何故こうなってしまったのかについては、政府や組織委員会は大会後と言わずこの段階で中間の報告をしてもらいたいものです。

 

残りの4年半は決して長い時間ではありません。来年8月のリオデジャネイロ五輪が終われば、その後は今よりも世界の視線が東京に集中しますし、その時はすぐにやってきてしまう。それから東京開催までの期間をどのように使えるかで、東京オリンピックがどんな大会になるかが決まってくるでしょう。

 

世界に日本という国の底力を示せる大会になるのか、それとも4年半後まで世界に恥を晒し続けるのか。大会の象徴となる国立競技場は一体、日本の何の象徴になるのでしょうか。ただ騒動にするのでなく、政府や組織委員会だけでもなく、東京オリンピックをどうしていかなければならないのかについては4年半の間考え続けなくてはならないのでしょうね。

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