日本のNo.1スポーツはサッカー?
2016/03/28
筆者には地元で行きつけのバーがあって毎週のように通っているのですが、先日もそこで飲んでいた時のこと。バーのオーナーの息子さんがサッカーを始めたという話で盛り上がりました。
そのオーナーは昔野球少年で、高校まで続けていたそうです。そんなだからサッカーについてはほとんど分からない。「息子がサッカー上手くなるのにどうしたらいいか教えてよ」というのがその日の話の始まりでした。
裾野が広がるサッカー文化
その中で出てきたのが、「日本のNo.1スポーツは、もうサッカーになったんじゃないか」というお話。既に、競技人口ではサッカーが野球よりも多くなっている、とオーナーが仰っておられました。
気になって調べてみたところ、まさにその通り。笹川スポーツ財団の調べによると、2010年時点でサッカーの実施人口は成人で478万人、10代で321万人の計799万人。野球は2009年時点で成人が467万人、10代が271万人の計738万人。サッカーは増加傾向、野球は減少傾向にあるとのことです。
- 2011年度種目別にみるスポーツ実施状況に関する研究 | 笹川スポーツ財団
連盟や協会に登録されている人口や、この財団が定義するところの実施人口だけで、「No.1」と定義するのはあまりにも乱暴なのでしませんが、Jリーグができてからのサッカー文化の浸透というものが見える結果ですね。
WikipediaにJリーグ加盟を目指すクラブがまとめられています。こうした姿勢を持つクラブチームが増えてきているのは知っていましたが、あらためて見てみるとこんなにあるのか、という驚きがありますね。
全国で50クラブ以上。日本の最高峰たるJ1が18チーム、J2が22チームですから、それを合わせた数よりも多いチームが、「将来Jリーグに入る」と宣言しています。
筆者は相模原市の社会人リーグでプレーしているのですが、この市リーグでさえも、1部から4部まで約60チームが参加しています。大学生時代にプレーしていた海老名市リーグも、1部から3部まで計24チーム。神奈川県ではこれくらいの規模でリーグ戦が実施されている都市がいくつもあります。毎週末、日常的にサッカーの試合が行われています。地域によって違いはあると思いますが、サッカーの裾野が広がっていることが実感できます。
今回の話をまとめていて、思い出したことが一つ。前職を辞めることが決まった際に、取締役と食事に行った時に聞いた話です。
食事に行ったのが2011年4月。東日本大震災の直後、日本代表対Jリーグ選抜のチャリティーマッチが行われたあとのことでした。当時、プロ野球はシーズンの開幕を遅らせるか、ナイター開催をどうするか、などゴタゴタ続きでした。それに対して、サッカーはまずJリーグを無期限中断、日本代表の試合も中止になって空いた日程でチャリティーマッチを行う、というところまで非常に決断が早かった。トップたるべき協会の姿勢の違いが表れていたように思います。
そして、チャリティーマッチで決まったのが、キング・カズのあのゴール。あのゴールを見て、取締役は「サッカーが日本のNo.1スポーツになったと確信した」とお話くださいました。NBAやNFL、あるいはJリーグクラブにも関わって大きな仕事をしてきた人ですし、その言葉には重みがありました。
いかがでしたでしょうか?
Jリーグ秋春制のシリーズはまだ続くのですが、あれは読むのも書くのも力を使うと思いますので(苦笑)、一度小休止的にライトな話題で書いてみました。こんなのもたまに書いていきます。
日本のNo.1スポーツは何か、何をもってNo.1とするかはここでは定義しませんが、こうしてスポーツが文化として浸透していけばいいなあ、と思います。