スポーツが政府の後押しを受ける成長産業に!
2016/06/14
今日はとても喜ばしいニュースがありました。スポーツ庁と経済産業省で組織する「スポーツ未来開拓会議」から、2015年までに国内のスポーツ市場を拡大させていく方針を近く発表するそうです。
2025年までに日本のスポーツ産業が現在の3倍になる?
スポーツ産業としては2025年までに15兆円規模にまで拡大する方針とのことです。政府の成長戦略である「日本再興戦略」の中に盛り込まれるとあって、これはかなり意義深い動きになりますね。今回重要なのは下記の2点だと思います。
スポーツ産業が政府という後ろ盾を得たこと。
2020年東京オリンピック以降も継続的な成長産業となる根拠ができた。
スポーツ産業が政策の中に入るというのは、日本史上初めてのことなんじゃないかと思います。国全体の成長を支える産業としてスポーツが選ばれたというのは喜ばしい限りですね。
近年はサッカー・中国リーグの“爆買い”と言われる選手獲得競争がよく話題になりますが、今現在中国のクラブが裕福になってきているのは、国策とも言える援助を受けてのことなんですよね。元々莫大で急速に成長しているのが中国市場でもありますが、国という後ろ盾を得るとあそこまで出来るようになる訳です。日本で同じような動きになるとは思いませんが、例えばJリーグやプロ野球の組織だけではできなかった展開もこれからは期待できるようになるということです。
また、2点目もかなり重要ですね。東京開催とは言ってもオリンピックは国家的プロジェクトですから、このプロジェクトが追い風になって2020年まではどう考えてもスポーツは成長産業になる。
ただ、業界にいる者からするとその先というのは今まで見えてこなかった。オリンピックのために環境を整えた結果、残るのは一体何なのか? 2020年までは成長しても、その後は国民の関心が一気に失われてスポーツ産業が停滞、または衰退していくというようなシナリオも、かなりの確率で有り得た訳です。
それが、この先10年近くは政府の戦略の中に組み込まれることになった。2025年には2020年に想定しているよりも大きな市場にしようということですから、東京五輪後も規模を維持する以上の恩恵が受けられるようになるのではないかと思います。オリンピックの準備にしても、その後に不安を覚えながら大会へと向かうよりもいい状態になるはずです。
2025年までにスポーツ界でなすべきことは?
ではその2025年までに、政府ではなく現場といった、成長産業を築き上げていくスポーツ界がなすべきことは何でしょうか?
私の考えですが、2020年までに業界を支える人材を育成し定着させることと、東京五輪後にその定着した人材が政策の部分を薄めて産業を自ら成長させていくこと。この二つじゃないかと思います。
国の後押しを受けるからには、人材は質の面でも数の面でも求められるようになります。その人材が2020年より後に離れていくのではなく、成長を支える人材として残り成長に寄与していくこと。ただ追い風に乗っていればいいということではなく、業界や産業として2025年までにそうした準備が必要になってくるのではないでしょうか。
そうなれば、スポーツに従事する人々がもっと報われる世の中になるかもしれない。あるいはスポーツ文化に対する価値観も変わってくるかもしれない。具体的に細かい方針が定まってくるのはもうちょっと先だと思いますが、2011年のスポーツ基本法改正以来の、スポーツ界に様々な影響をおよぼしそうな大きな動きかと思います。
色々と東京オリンピックの周辺も騒がしいですが、ここはひとまず、スポーツが政治という根拠を得たということを嬉しいニュースとして受け取りたいですね。