ITやデータの活用がスポーツ観戦の可能性を広げる
2016/06/14
スポーツでのIT活用に関する記事が2件ほどあったので、ここでリンクを貼って紹介したいと思います(NewsPicksの方は全文読むのに課金登録が必要です)。
スポーツのIT活用だと、このブログでも今まで採り上げているようにアメリカが先進的で、かつチャレンジングですね。リンクを貼った2記事にも共通してアメリカのこうしたものに対する姿勢が話題として上がっています。
NFL・スーパーボウルという、アメリカでも最大のスポーツの祭典となる場所で、Facebookが新しい試みをするというのが凄く意味のあることなんじゃないかと思います。スポーツをエンターテインメントの一つとして捉え、その体験を向上させるために良いものを採り入れていこうとする貪欲さと、新しいものに対する懐の広さというものを同時に感じます。
おそらく日本で同じようにやろうとしても、例えばプロ野球の日本シリーズやJリーグチャンピオンシップで導入する前に、レギュラーシーズンできちんと稼働する実証がないと難しい気がします。アメリカを賛美する訳ではないですが、それくらいにアメリカと日本では新しいものに対する姿勢に違いがありますね。
データ活用の指標を共有し、新技術と組み合わせればスポーツの可能性が広がる
NewsPicksの記事を読んでいてハッとさせられたのが、SAP・馬場渉氏の“「そもそも日本サッカー界はデータを利用できているか」を考えるべき”という発言ですね。確かにデータだとかIT活用の雰囲気は日本でも醸成されようとしているとは思いますが、データを見るための指標は今一つ共有されていないように感じます。ここは今いまの日本スポーツ、主にデータ活用を採り入れたの課題かもしれないですね。
要は、サッカー観戦を楽しむための素材としてデータを可視化し始めはしたけども、そのデータを使ってどう楽しむかという物差しがまだファンの中につくられていない、ということですね。PKの成功率は7〜8割のような、昔から言われているような指標はあるけども、Jリーグが計測し始めたデータについてはまだこれからなんですよね。
この物差しが共有されると、ファンとしては楽しみ方の幅が広がるし、提供するクラブやスタジアムとしてもサービスの質が上がるのではないかと思います。NFLでは選手にセンサーを着用させてホログラム映像に利用するというような試みが動き始めているようですが、これがデータと組み合わさると面白いんじゃないかなと。従来の映像技術でも実現していたことも含めて、スポーツの見せ方や観戦の仕方においてグッと可能性が広がってきますね。
新しいことを採り入れることで、スポーツの新しい可能性が広がる。当たり前のことかもしれないですが、成功も失敗も最初は“新しいもの”だった訳で、そうしたものに抵抗感ばかり抱いていても仕方ないなあと思う次第です。
海外でやっていることをそのまま日本でやっていてもうまくはいかない、というのは最近このブログで言い続けていることですが、アメリカの姿勢に学び、新しいものをどう使うかということは常に考えていかなければならないですね。その過程で日本らしい成功事例を生みだせればいいんじゃないかなと思います。