サッカー

オルカ鴨川に地域コミュニティでのクラブづくりを見る

2016/06/14

最近考えている地域でのプロクラブ作りについて、ヒントになりそうな記事がありました。千葉県鴨川市で活動する、オルカ鴨川という女子サッカークラブの取材記事でした。

 

 人口わずか3万4千人の町にあるクラブが、開幕戦で1200人の観客を集めた。これは3部リーグに所属する、あるサッカークラブの話。J3?いや違う。女子の3部リーグに相当するチャレンジリーグだ。創設から僅

 

企業によって地域性が生まれるチームづくり

男子サッカーでもJFLくらいまでは企業チームの形態も見受けられますが、スポンサー企業が選手の雇用を確保しているというのがいいですね。総合病院という地域インフラでの雇用であることで、地域との関わり合いもできるし選手たちをセカンドキャリアを考えられる。鴨川市も協力的で練習場を整備しているとあって、立ち上げ数年の段階から地域性を持ったチームづくりができているんじゃないかと思います。

 

小さな町だからこそ町が盛り上げていける、という下りがありましたが、鴨川市ほどの規模の都市だからこそ、企業の中に選手が入ることで地域性が生まれているところはあるでしょう。小さい町の病院で働いているからこそ、働いている人の顔が見える。顔が見えるからこそサッカーをやっている姿を応援したくなる、ということでしょうね。

 

また、雇用している企業が現役とその後とキャリアパスを示すことができているというのは、医療法人ならではだと思います。男子と女子とで思考の傾向に違いはありますが、現役時代はセカンドキャリアまで考えられる選手は多くない。女子サッカーであれば現役選手でも収入が少なく、サッカーのことだけを考えられない状態の選手も少なくない。そこを法人が支えられるというのは、選手にとってどれほど安心感があることか。

 

地域の企業が中心になることで地域性が生まれ、チーム作りの基盤となっていく。記事にもありますが、これは女子サッカークラブのスタンダードを変えるかもしれません。もしかすると、女子サッカーだけでなくクラブチームの形を変えていくかもしれませんね。

 

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企業、行政、地元のサポートが一体になってクラブづくりが進むオルカ鴨川。(画像出典:オルカ鴨川FC公式サイト

 

地域の企業が、地域とともにクラブを育てるやり方

 

サッカーで関東2部リーグに所属するLB-BRB TOKYOが、監査やコンサルティングを手がけるPwC Japanとオフィシャルスポンサー契約を結んだというニュースがありました。世界的な企業グループが地域リーグのクラブのスポンサーになるとあって、かなり異例な出来事です。&...

 

4月にLB-BRB TOKYOの動きについて書きましたが、オルカ鴨川と共通するのはコミュニティを形成しているという点ですね。オルカ鴨川は特に地域との結び付きが強く、その地域コミュニティの中に入り込めている。

 

コミュニティというのは社会のそこかしこに存在していて、しかもスポーツとの相性が良い。そのコミュニティの中で、前々回に書いたような“お祭り意識”を煽ることができれば、コミュニティの人々の心に響いていくということになる。その方法に、地元の企業や法人が中心になってチームを作っていくやり方もあるということですね。

 

これまでは、地域に作られたクラブが地域やコミュニティに働きかけるというようなことを想定していましたが、地元の有力な企業がチームを作ることができるのなら、そのやり方がいいのかもしれません。例えばJリーグ入りを目指そうとするクラブは、まずホームタウンの有力企業の協力を仰ぐ、ということも考えられますね。

 

地域の企業が所属する地域とともにクラブを育てる。こんなモデルがオルカ鴨川以外にも出てくるかもしれませんね。

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