日本代表監督人事の騒動に思うこと
2016/06/14
サッカー界では次の日本代表監督人事が騒がしいですが、ここで一つ思うことを。
もはや日本サッカー協会の病巣は末期
個人的な考えを言えば、次は何が何でも日本人というようには思っていないので、Numberに寄稿している北條氏の意見に近いですね。近年の実績が証拠になり、手腕を買って監督を選ぶというのがいいと思います。その上でJリーグで指揮してきた人が選ばれるのがベストではないでしょうか。
疑問に思わざるを得ないのが、日本サッカー協会の監督選びのプロセスです。一体何を基準にしているのかが全く分からない。次から次へと新たな候補の名前が挙がったり、候補を一本化したとの報道があったり、あるいは松本山雅の反町監督がいきなり意見を言い出したりと、もはやカオス状態です。
メディアが憶測で騒ぎ煽っているだけにも見えますが、候補に挙がる名前もネームバリュー優先に思えたり、わずか半年や一年日本にいただけで「日本に理解がある」ことになっていたりと…。個人的には数人の名前を見るだけで目まいと吐き気を催しそうになります。
日本サッカー協会は情報漏えいを警戒しているようですが、何か情報が漏れてこの状態だとしたら。代表監督の選び方に一貫性もなければ、技術委員長の人選が不透明。そもそも日本サッカーがどこを目指しているかも分からない。もはや日本サッカー協会を蝕む病巣は末期じゃないかと思います。
日本のフル代表も世代別代表もアジアでベスト8止まりが続いている状態が示すように、アジア全体のレベルも上がってきている。今後のアジアでのワールドカップ予選も厳しくなってくるとすると、アジアでも満足に勝てていない状況を踏まえて日本サッカー協会は育成や強化の仕切り直しをしなければいけない。ですが協会は見ての通りの体たらく。
「プロ」がいない日本サッカー協会は変われない
おそらく、日本サッカー協会にプロを経験した人間が入っていかないと変わらないのでしょう。
Jリーグが発足してから日本サッカーは急速に成長し、プロ化してきました。まず選手がプロになり、元Jリーガーが監督・指導者として台頭してきている。東京ヴェルディやモンテディオ山形のように、コンサルティング会社と組んでクラブ経営をしようとするケースも出てきている。
変わらないのは日本サッカー協会の体質。未だに古川や早稲田と言われるくだらない派閥争いが繰り広げられている。プロを経験していない世代の人間が権力を握ってのさばっている。今の幹部連中が総替わりしないことには、今後も強化は金目当てのホームゲーム中心、代表監督もスポンサーに配慮した人選になるのでしょう。そして何か問題があれば相手の派閥を叩き合う。
こうなれば、もう誰が監督でもいいような気さえしてきます。強化の本質を見失った人事で、2018年ワールドカップ予選敗退の危険が高まるとしたら。そこで痛い目に遭えばさすがに幹部連中が総辞職して、日本サッカー協会も変われるかもしれません。ただ、その時には日本サッカー衰退の危機も同時に迫っているでしょうが。
その危機を避けるためにも、一刻も早く日本サッカー協会のプロ化が進んで欲しいと思います。少なくとも、ワールドカップでの躍進を狙う国としての監督人事をして欲しいと願います。