考えること、議論することが日本スポーツの未来につながっていく
2016/06/14
今日はNumber Webで読んだアメリカのアマチュアスポーツについての記事について。記事の最後の方で「そうだよなあ」と思うところがあったので備忘録的に書きます。
記事を見ると最初に飛び込んでくるのは、大学のアメフト指導者がもらっているという途方もない金額の報酬。日本のプロ野球の最高年俸を優に超えていて、欧州サッカーでトップレベルの選手や監督が受け取っている年俸額と比較しても遜色ない数字ですね。
これが実現しているのは、並木氏が書くように大学スポーツできちんとしたビジネスモデルが確立しているからですね。収益が上がればそれだけ環境や選手に投資することができ、全体のレベルに押し上げが効くので好循環が生まれやすくなる。それがきちんと実践できているからこそ、豊潤なスポーツ文化とスポーツビジネスの基礎が築かれている訳ですね。
考えることや議論することが日本スポーツの未来につながる
そして記事の最後、並木氏が書いていたことを引用します。
競争原理を働かせることで、放映権をはじめとした様々な権利をもっと大きなビジネスにつなげることは考えられないか。アメリカでは強豪校のユニフォームが全国のスポーツ用品店で販売され、子どもから大人までそれらを着てチームを応援している状況を踏まえて、日本でも商品化の知恵を絞り、子どもたちが気軽に買えて選手やチームへの憧れを抱けるようなユニフォームやグッズを開発できないか。そして、収益と支出を透明化し、指導者が報われ、選手がよりよいパフォーマンスを発揮できる環境を整えることはできないか。
ここは読んで本当に共感するところでした。前回の記事でも書いたように、アメリカやヨーロッパでやっているから日本でも良いというものではありません。ただ、「日本ではうまくいかないよ」と結論を出して、そこで思考停止してしまってもいけないんですよね。どうしたら日本でもうまくいくのか? 本当に日本ではできないのか? そこまで議論を持っていかなければ意味がない。
今の日本スポーツの文化を見ていると、悪い意味で思考停止している部分が多く見受けられます。よく考えてみるとおかしなことも、伝統や慣習で行われてきた間に疑問を持たれなくなっている。スポーツというのは個人の才能や身体能力を切り売りするものであり、その対価としてより良い環境や報酬を求めるのは当然のことですが、なかなかそこまで議論が進んでいかない。
あるいは、アメリカやヨーロッパの今ある環境について、ただ羨望の眼差しで見つめるだけでなく、日本のスポーツがどうやったら追い付き追い越せとやっていけるのか、考えなくてはいけませんね。日本のスポーツの環境をどうしていくのか、そうした議論は必ずスポーツの未来へつながっていくと思います。
前回に続いて自分に言い聞かせるように。自分ができるのもちっぽけなことですが、まずは自分なりに“考える”ことをして、日本スポーツの未来につながる議論の種を蒔いていけたらと思います。