Jリーグが2017年以降の大型放映権契約を締結?
2016/06/14
ちょっと乗り遅れてしまいましたが、2017年以降のJリーグ放映権の契約についてが話題になっていますね。
リーグの放映権料はコンテンツ価値を計る指標
イギリスのPerformグループにNTTグループやスカイパーフェクTV!が加わって、5年500億円とも言われる放映権契約を結ぶという話です。まだJリーグからの正式発表はなく総額の情報が媒体によってまちまちですが、報じられている契約内容が具体的なため、決定はしていないまでも交渉している事実は濃厚なんじゃないかなと個人的には思っています。
放映権料というのはそのリーグのコンテンツ価値を計る指標になるんですよね。来年以降の放映権のことなのでいずれ正式発表はあるでしょうから、ここで契約の真偽や正否を追うことはしませんが、一体どんな内容になっていくのかということはきちんと追っていきたいと思います。
今ヨーロッパではイングランド・プレミアリーグが全盛の時代ですが、フットボールチャンネルの記事によるとこの2016年からの3シーズンで1兆3000億円が支払われるという、気の遠くなるような金額も生まれています。それと比較すればJリーグが年間100億円というのも、今までと比べれば確かに好条件ですが、まあ妥当な金額感という気もしています。
放映権ビジネスの拡大はリーグに好影響を与える
今のように有料衛星放送などが普及していなかった時代においては、試合の放送が増えることによりスタジアムへの客足が鈍るのでは、という批判もありました。ただ、今のプレミアリーグや欧州チャンピオンズリーグなどを観ていても、放送がスタジアムから客を奪うことにならないということも証明されているんですよね。スタジアムに足を運ぶに足るだけのコンテンツがあれば、ファンやサポーターはスタジアムに行くんです。
それを考えると、仮にPerformグループとの大型契約に発展すると、放映権料が上がったことがリーグにいい影響を及ぼすんじゃないかとも思っています。割合を決めて均等に分配する部分と、成績に応じて分配金が変わる部分とができると思いますが、分配金のベースが上がるのは間違いないでしょう。ベースが上がれば各クラブの財政がよくなりますし、成績に関わる部分もモチベーションになっていくはずです。
それが各クラブの戦力強化、グラウンド上でのパフォーマンス、クラブのビジネスの拡大につながっていけば、リーグとしてのコンテンツ価値が上がってくことになる。そうしてきたことで欧州サッカーとその放映権ビジネスは拡大してきたのですから、それが日本でできないとも限らない。コンテンツとして価値が上がれば、それだけスタジアムへの集客も好影響が考えられる訳です。
今の欧州ビッグクラブは放映権料の分配金にビジネスを依存している部分も強く、その意味では放映権をビジネスの目標にするのは危険な部分もあるかもしれません。ただ、バスケットボールのBリーグもソフトバンクと大型の放映権契約を交わしましたが、プロクラブがビジネスの原資を得るという意味では大きく貢献するのは間違いない。Jリーグが苦戦しているファン獲得にも効果があるでしょう。
通信や放送のインフラを提供する会社が協力するだろうとなれば、スマートフォンやタブレットで今までよりも良い視聴環境が提供されることにもなるかもしれません。そうしたユーザー体験の向上にも一役買うと思うので、新しい放映権契約には期待したいですね。Jリーグや各クラブが幸せになる契約を結べることを望みます。