アリーナスポーツにはエンターテインメントの大いなる可能性が眠る
9月22日(木祝)から25日(日)にかけて開幕節が行われ、ついにプロバスケットボールのBリーグが始まりました。私もテレビでアルバルク東京対琉球ゴールデンキングス戦を観戦しましたが、試合としても会場の演出としても、総合的に質の高いエンターテインメントになっていたのではないかと思っています。
アリーナはスタジアムよりも演出力に長ける
この演出の肝だったのが、全面LEDで作られたコートでしょう。床にテープを引くことなくコートが構成され、試合前や合間のショー、あるいは3ポイントシュートが決まった時などにコート上にCGが映し出される。これは観ていて飽きない演出でした。
CYCLEの記事にあるように全面LEDのコートは世界初。このコートによって全体的な演出としてできることが増える。プロジェクションも含めてインターネットを利用して制御できるコート=ビジョンに、エンターテインメントの可能性を感じる試合でもありました。
そもそもですが、アリーナという場所はスタジアムと比べて演出力に長けているんですよね。照明を利用できたり、音響の良さからマイクパフォーマンスができたり、あるいは意図的に送風機で風を起こすこともできる。その利点を活用しようと、一段飛び抜けた演出をしたのが大阪エヴェッサでした。
オープニングイベントを映像で確認しましたが、まさにアリーナの利点である「光」を活用しています。猪子寿之氏のチームラボと組んでの演出で、マスコットキャラクターの全身をLED化するというのもぶっ飛んでいますが、さらにスマートフォンアプリも使って体験型のコンテンツを作り上げているというのが良いですね。
アリーナスポーツにエンターテインメントの大きな可能性が眠る
こうして観客も巻き込んで作り上げたのは、イベントではなく“エンターテインメント”であり“ショー”なんですよね。見せ物ではなく完全に体験型のコンテンツとなったことで、その場にいた人々はそのコンテンツを「楽しい」と思えるようになる。楽しいからこそ次も観に来てくれる可能性が高まるのであって、それにつながるものを用意した点で大阪エヴェッサは本当に素晴らしいと思います。
記事にもあるようにまだまだ改善の余地はあり、これからさらにコンテンツが練られていくことでしょう。東京から遠征しなくてはなりませんが、大阪エヴェッサのホームゲームを観に行きたいという気にさせてくれます。これからどんなことをしでかすか、注目していきたいですね。
そして、これはバスケットボールや大阪エヴェッサだけでなく、アリーナを使用するスポーツではすべて可能な訳です。日本ではフットサルやバレーボールに大きな可能性があるでしょう。競技ごとに観客の性格や楽しみ方も違いますし、そうなると今度は別のエンターテインメントを作り上げていくことができるんですよね。
サッカーや野球よりも小ぶりな会場で、観客からコートまでの距離も近く様々な演出が可能。そこに眠るのはスポーツを通じた体験であり、エンターテインメントの大いなる可能性です。
アリーナスポーツの代表として、Bリーグがその可能性を広げてくれているように思います。アリーナスポーツと、新しいエンターテインメントの成長を見届けていきたいと思います。